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中国就労ビザの申請方法

3つの申請方法に関して

内田真人

2010年8月

はじめに

 中国就労ビザの申請は、大きく分けて3つの方法があります。

手 順 備 考
日本申請 シングルZビザ(日本)→マルチZビザ(中国)*1  
香港申請 シングルZビザ(香港)→マルチZビザ(中国) 香港就労ビザをお持ちの方*2
中国申請 Fビザ(日本/香港)*3→マルチZビザ(中国)  
*1:就労ビザは、厳密には「居留許可(就業)」等の表記がなされています。
*2:香港就労ビザや香港IDカードがチェックされます。
*3:一般的にはFビザですが、地域によってはLビザやノービザからできる場合があります。

 「日本申請」は、シングルのZビザを日本で申請します。中国政府が推奨する申請方法です。

 次に「香港申請」は、シングルのZビザを香港で申請します。香港に駐在されている方が、中国に再出向になる場合に申請できます。

 最後に「中国申請」は、シングルのZビザを必要としない申請です。「留学」や「出張」ですでに中国に滞在されている方は、日本や香港に出境する必要がないので、便利な申請だと言えます。

日本申請

 いわゆる「日本申請」は、基本的に申請者が日本にいながら申請手続きを始められます。申請手順は、必要書類を準備してから、大きく分けると3段階になります。

段 階 手続き 備 考
準備 (1)日本で必要書類の準備
(2)書類を現地法人へ送付
 
T (3)現地の当局に「外国人就業許可証書」を申請
(4)現地の当局に「被授権単位簽証通知表」を申請
(5)書類を日本側担当者へ送付
 
U (6)中国大使館領事部でシングルのZビザを申請
(7)シングルのZビザで中国に入境*1
 
V (8)シングルのZビザで「臨時宿泊登記」を申請*2
(9)シングルのZビザをマルチのZビザに切り換え*3
 
届出 (10)マルチのZビザで「臨時宿泊登記」を申請*4
 
*1:「外国人就業許可証書」や「健康診断書」を持参の上、赴任する。
*2:ホテルに宿泊している場合でも「臨時宿泊登記」を求められる可能性があります。
*3:マルチのZビザに切り替えるまで中国から出境できません。
*4:「臨時宿泊登記」をしないと延長申請で問題になる可能性があります。

 「日本申請」のメリットは、中国政府が推奨する方法なので、基本的にいつでも申請できることです。

 デメリットは、シングルのZビザで入境してから、マルチのZビザに切り替えるまでの数週間は、中国から出境できないことです。万一、出境してしまうと手続き(4)からやり直しになり、日本へ戻ってシングルのZビザを再取得しなければなりません。また、華南地域では、ビジネスでしばしば香港やマカオへ行きますが、ビザ上は香港やマカオへ行っても出境扱いになりますので、注意が必要です。

香港申請

 いわゆる「香港申請」は、基本的に申請者が香港に駐在しながら申請手続きを始められます。申請手順は、必要書類を準備してから、大きく分けると3段階になります。

段 階 手続き 備 考
準備 (1)香港で必要書類の準備
(2)書類を現地法人へ送付
 
T (3)現地の当局に「外国人就業許可証書」を申請
(4)現地の当局に「被授権単位簽証通知表」を申請*1
(5)書類を香港側担当者へ送付
 
U (6)中国外交部駐香港特派員公署でシングルのZビザを申請
(7)シングルのZビザで中国に入境*2
 
V (8)シングルのZビザで「臨時宿泊登記」を申請*3
(9)シングルのZビザをマルチのZビザに切り換え*4
 
届出 (10)マルチのZビザで「臨時宿泊登記」を申請*5
 
*1:「被授権単位簽証通知表」の宛先を香港にしてもらう。
*2:「外国人就業許可証書」や「健康診断書」を持参の上、赴任する。
*3:ホテルに宿泊している場合でも「臨時宿泊登記」を求められる可能性があります。
*4:マルチのZビザに切り替えるまで中国から出境できません。
*5:「臨時宿泊登記」をしないと延長申請で問題になる可能性があります。

 「香港申請」のメリットは、日本へ一時帰国せずに申請できることです。

 デメリットは、シングルのZビザで入境してから、マルチのZビザに切り替えるまでの数週間は、中国から出境できないことです。万一、出境してしまうと手続き(4)からやり直しになり、香港へ戻ってシングルのZビザを再取得しなければなりません。また、ビザ上は香港やマカオへ行っても出境扱いになりますので、注意が必要です。

中国申請

 いわゆる「中国申請」は、基本的に申請者が中国にいながら申請できます。申請手順は、必要書類を準備してから、大きく分けると2段階になります。

段 階 手続き 備 考
準備 (1)当局にFビザ、Lビザ、ノービザからの切り換えが可能か確認
(2)必要書類の準備(FビザやLビザが必要な場合は取得)
 
T (3)現地の当局に「外国人就業許可証書」を申請
 
U (4)マルチのZビザに切り換え
 
届出 (5)マルチのZビザで「臨時宿泊登記」を申請*2
 
*1:「臨時宿泊登記」をしないと延長申請で問題になる可能性があります。

 「中国申請」のメリットは、日本へ一時帰国せずに申請でき、「日本申請」や「香港申請」に比べて、短期間で取得できることです。また、マルチのFビザやノービザから切り替えられる場合は、申請期間中に中国を出入境できます。

 デメリットは、地方政府が特別に認めている申請なので、中央政府の監督が厳しくなると突然申請できなくなることです。一般には国際的なイベントの前後で、申請ができなくなります。具体的には、北京オリンピックや上海万博の前後で、申請できなくなった地域がありました。

おわりに

 日本におけるFビザやLビザに関しては、

 香港におけるFビザやLビザに関しては、  がお勧めです。これまでご紹介して特にトラブル等はありませんでした。

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